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船の各部位の名称【420/470編】

船の部位って意外と細かく名称がついています。

思いつくだけ列挙していきます。


まずは大まかにデッキとハルの名称です。

①バウ

②スターン

③フォアデッキ

④サイドデッキ

⑤コックピット

コックピットはデッキに囲まれている部分で大体のエリアを指すイメージな気がします。

⑥ハル

⑦ステム

⑧キール

⑨トランサム

ステムはバウ側の中心V字部分で波を切っていくあたりのことです。

キールは左右のハルの合わせ目のことです。


バウ付近の部位の名称

⑩フォワードタンク

⑪ブレークウォーター

⑫マストパートナー

⑬フォワードバルクヘッドハッチカバー

⑭キールソン(バウ側)

⑮フォワードバルクヘッド

⑯サイドハッチ

フォアデッキ下の空間のことをフォワードタンクといいます。後に出てくるサイドタンククロージャーによってサイドタンクと独立した空間になっています。これによって船には合計3つの独立した空間ができ、万が一どこかに穴が空いて水が侵入しても残りの2箇所の空間に浮力が残って完全に沈んでしまわない様になっています。

ハッチと聞くと丸いねじ込み式のプラスチックパーツを思い浮かべますが、開口部を総じてハッチといい、ハッチに水などが入らないようにつける蓋はハッチカバーといいます。

バルクヘッドという単語はよく船に使われますが、これは【隔壁】という意味です。


中心部の名称

⑰センターボードケース

⑱センターボードキャッピング(トランクキャップ)

⑲スウォート

⑳センターボードケーススロット

㉑スウォートバルクヘッド

㉒メインシートトラックバルクヘッド

㉓サイドデッキフランジ

私もこの仕事を始めて初めてスウォートという名称を知りましたが、よく「センタケースの横の...」とか「センターのT字のとこの...」とかイマイチ皆がわかるような表現がない場所だなーとも思っていたので、ぜひ今度から正しい名所を使って見ましょう。

フランジとは一般的に本体部分から横方向に伸びる鍔(つば)のような部分のことです。この場合はサイドデッキとハルを接合するための部位になります。サイドデッキだけでなく、フォーワードバルクヘッド側はフォーワードバルクヘッドフランジといえば通じます。


トランサム側の部位の名称

㉔キールソン(後ろ)

㉕トランサムニー

㉖ドレンホール

㉗ティラーポート

㉘ティラーポートクロスピース

㉙ガンネル

角っこの三角の補強は【ニー】と呼ばれていて、420ではバウの先端部分に取り付けても良いというルールがあります。

非常に今更ですがガンネルを書き忘れていたので追加しておきます。ちなみにガンネルの英語表記は"Gunwale"でガンウェルと言いますが、日本語ではガンネルです、なんででしょうか、調べてもわかりませんでした。


ここからは内部の構造物の名称です。

A) ヘッドステーフィッティング

B) フォアタンクウェブ

C) フォアタンククロージャー/サイドタンククロージャー

ヘッドステーフィッティングはフォアステー(ヘッドステー)やジブハリヤードを取り付ける場所で、船の中では非常に大きな力のかかる部分です。PMJのヘッドステーフィッティングは通常テンションを掛けたときに掛かる負荷の約15倍の負荷をかけた場合でも問題なく使用できることが実証されています。

フォアタンクウェブはヘッドステーから伝わってくる力に抵抗する構造です。これによってフォアデッキの最低厚みは1.3mm(クラスルール下限値)しかありませんが、何百キロという負荷に耐えることができます。このフォアタンクウェブは470で認められている構造物で、420にはありません。420も470ほどではありませんが同じように数百キロの負荷がかかっているので後に説明するリブの偉大さを感じます。

フォアタンククロージャー/サイドタンククロージャーは先にも説明した通りフォアタンクとサイドタンクを分ける隔壁です。大きなタンカーなどの船でも同じように浮力タンクをバルクヘッドで仕切ることで、万が一浸水した場合でもその一部の区画で浸水を止めることができ、沈没するリスクを減らすことができます。470、420の場合はサイドタンク内に規定量の浮力体(発泡スチロールなど)を入れることになっているので、全てのハッチが浸水しても浮力体のお陰で直ちに沈んでしまわない工夫がされています。


D) リブ(ステフナー)

E) フロアステフナー

バウからスターンのタンク内に張り巡らされている灰色で示されている棒状のものがリブ、コックピットフロアについているものがフロアステフナーです。どちらも発泡体をガラス繊維で貼り付けたり、FRPで作った中空のパーツを取り付けています。これらの骨格が厚みが数ミリしかない船の形状を保つ大きな役割を担っています。470では全てのリブの位置がルールによって決められていますが、420は自由に配置することができます。ですので420の特にフォアタンク内のリブの配置は各ビルダーによって大きく違っていて強度にも大きく差が出ているポイントです。


470、420の部位の名称は以上になります。

思いつく限り部位の名称をあげていきましたが、もしここ抜けてるよっていう場所があれば教えてください。

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