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古い型式のスナイプを改造する-4

更新日:2022年10月20日

29300番代の船がオーバーホールのために工場にやってきました。


トラベラーシステムや、ジブリーダートリムシステムの新設などをしていくのですが、デッキレイアウトが最近の船とは異なるので、同じような船に乗っている人の参考になればと思い今回のブログを書きます。

前回は→【 https://onl.sc/xWGEZiM 】 トラベラーシステムの詳細についてでした。


今回はデッキ裏側の部品の取り付けの際の小技とマストのガタ止め艤装を紹介します。


デッキ裏側の部品取り付けとは以下の写真のような部分です。(ちょっと分かりづらいですが...) このネジの取り付け方について説明していきます。

平らなデッキにネジの頭がとび出ていると見栄えも悪いし、引っかかるしあまりいいことはありません。なので

470でもこのような場所で使っています。

ネジの頭が出ていないとワンランク上の仕上がりになります。

この加工には【面取りビット】が必要です。(大体どこのホームセンターにもあります価格は1000円しないくらい?)

以下の写真のような工具でドリルドライバーに取り付けて使います。

ドリルビットで開けた穴の角を斜めに落とすことができる工具です。

以下の手順で皿ねじを埋め込ませて取り付けます。

注意点は取り付け位置が薄い時はナットが締まらないのでしっかりと厚みがある部分でしかできません。

他にはサンドイッチ構造【ガラス繊維層-木材(フォーム)-ガラス繊維層】になっている部分では、締め過ぎると周りが凹んでしまう、中の木材(フォーム)に水がしみないようにシリコンで止水する必要があります。

https://onl.sc/gV2Vr1X←以前の 船に穴を開ける という記事が参考になると思います。

ちなみにここで使った面取りビットは、様々なところで使うことができます。

穴を開けっ放しにするところを面取りすれば、ロープやショックコードを通したときに切れづらくなります。

また船に穴を開けたことがある人はわかるかもしれませんが、穴を開けると開けた穴の周りもバリバリと割れてしまうことがあります。そんなときも面取りをすればバリバリの部分が削り取れるのできれいな仕上がりになります。


さて、ここからはマストのガタ止めについてです。

マストのガタ止めは早く船を走らせる上でとても大切なことです。

なぜならマストの左右の動き (ガタ) を止めて、できるだけ船と一体にすることでセールからの力をしっかりと船に伝えることができるからです。さらにマストが左右に動いてしまうとセールの形状もふにゃふにゃと動いてしまい安定して走ることができません。

とは言え前後方向にはアフトプラーやフォアプラーを使ってトリムしたり、スナイプではメインシートのテンションでマストを曲げるときに前後移動してくれなければ困るので【左右のガタは止めるが、前後にはスムーズに動く】といった絶妙な調整が必要になります。


スナイプのガタ止めで私が最も良いと感じるのはL字アングルを使う方法です。

作り方は簡単で、L字アングルをマストホールのサイズに切ります。

この時マストホールに差し込む直角面はマストホールの長さ、デッキ上面に置く水平面は少し長くしておくとマストホールから脱落しづらいです。

そしてL字アングル単体では厚みが足りずガタを抑えられないので、厚みを調節する板を貼り付けていきます。

この時L字アングルの内側(L字アングルとマストホールの間)に板を貼り付けると、厚み調整の板がマストに触れないので長持ちします。逆にこれをL字アングルの外側(L字アングルとマストの間)にしてしまうと、マストは前後に動くので板が剥がれやすくなります。

取り付けるとこんな感じになります。

↑スターボード側

↑ポート側 はランチャーのカムなどもあるので邪魔な部分は切り抜きます。

これで完成ですが、もっとベターにするためにはマストとガタ止めの間に一枚敷居すべりテープや、テフロンテープなどを貼ることでマストのスレを減らすことができます。 このシリーズは今回で終了となります。

船はしっかりと整備してあげると永く乗り続けることができます。

ベストなのは小さな修理のときにその都度修理してあげることですが、まとめてオーバーホールしたい場合は私達業者を頼っていただけると、パーツ、システムの交換や、細かい修理、船全体のポリッシングなどまとめてできます。必要であればぜひご連絡ください。

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