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マストステップ調整: いつ、なぜ、どうやって、どれだけ変化させるか。

Snipe Today の記事【Mast Butt Adjustment: When, Why, How, and How Much?】の日本語意訳です。

Eric Heim著(サンディエゴ出身のセールメーカー、スナイプセーラー, 2014年夏 Snipe Bulletin)

スナイプでマストステップを動かす理由とタイミングの詳細に入る前に、簡単に歴史の授業から始めます。スナイプクラスには、マストステップのピンはバウから60インチ(1524mm)後方に固定する必要があるというルールがありました。これは測定が非常に困難で、数年前にルールブックから削除されました。

ルールが変更されると多くのトップセーラーが新たなマストステップ位置のセッティングを試み始めましたが、当時のボートは一般的にセールとチューニングが60インチのルールを中心に開発されていたため、ボートはその設定で非常にバランスが取れていました。

それ以来、セッティングとセールの形状は進化してきました。たとえば、本当に優秀なセーラーは、自分の体重や装備にあまり適していないメインセールを使っても、マストステップを動かしてボートのバランスを取り戻すことができます。マストステップを前後に動かすことは、ラダーの望ましい感触を実現するためのツールです。

歴史の授業はここまでで、ここからが【物理学基礎】のレッスンです。他のすべての要因(チューニング等)が一定のままであると仮定すると(決してそうはなりません)、マストステップを前方に動かすと、Center of Effort (CE) が前方に移動し、バウをベアさせる力が働きます(リーヘルム)。



重要なポイント

スナイプでリグを変更することは、ボートの潜在的な速度を解き放つための重要なキーとなります。ただし変更を加えると、代わりに簡単に遅くなる可能性もます。先週末、ミッションベイでレースをしているときに、ウェザーヘルムを減らすためにステップを前方に動かしました(私たちは非常に軽く、114kgで帆走していました)が、ボートは遅くなりました。問題は、波の少ないミッションベイでは、上り角度を良くするためにリーチにテンションをかける必要があり、マストステップを前方に動かすと、クローズホールドのときにジブがスプレッダーにぶつかるということでした。ジブセールのピークを下げてスプレッダーをかわそうとしましたが十分ではありませんでした。マストステップをベース設定に戻し、シュラウド(サイドステー)のテンションを上げると、すぐにボートは再び速くなりました。

色々とセッティングをいじってみて、マストステップを前に動かすとレーキに大きな影響はない(10mm未満)のに気づきましたが、テンションがかなり変わりました(ルースゲージで4単位減った)。マストステップを前方に動かすと、シュラウドの取り付けポイントが相対的に後方に移動するのもうなずけます。もちろん、マストホールにつけるマスト位置のニュートラルマークも変わります。

いつ、なぜマストステップを調整するのか? 私の中で完璧な答えはまだ出ていないが、現時点で私の理論は、ステップを前方に動かすことは、波の多いコンディションでボートを前方に走らせ続けるのを助けるということです。波の少ないコンディションでは、マストステップを後方に動かすと、リーチにテンションがかかりやすくなり、ポインティングが改善される場合があります。 Jan Persson(PERSSON Marine創設者)の新しいマストステップアジャスターは、レースの合間に水上で変更を加えることができる、かなりきちんとした小さなツールです。 (ジブハリヤード、バング、プラーを緩め、風下に向かう必要があります。)

出艇する前にその日のコンディションがフラットなのかチョッピーなのかは通常わかっているので、マストステップアジャスターはおそらくすべての人にとって必須のアップグレードではありません。このパーツがより多くのボートに取り付けられ、トッププレーヤーが得た知識はそのうち私達にも伝わって来るでしょう。これが、スナイプが長い間存在してきた理由の1つと言えると思います。スナイプクラスは走らせ方などの情報を皆で共有しながら、ボートスピードを絶えず開発および改善しています。

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